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鐘馗(しょうき)

【分 類】 五番目物(鬼神物)

【作 者】 金春禅竹

【主人公】 シテ:鐘馗の霊(真角)、後シテ:鐘馗の霊(小癋見)

【あらすじ】(今回の仕舞の部分…下線部)

中国の終南山の麓に住む者が奏聞のため都に上る途中で、怪しげなる者に後ろから呼び止められます。旅人がいかなる人かと尋ねると、自分は進士の試験に落ち自殺した鐘馗という者であるが、悪鬼を亡ぼし国土を守らんとの誓いを立てているので、そのことを帝に奏上してほしいと言います。そして、後ほど真の姿を現そうと言って消え失せます。

<中入>

そこで、旅人が読経して鐘馗の亡魂を弔っていると、鍾馗の霊が現れ、宝剣を持って妖魔悪鬼を退治する有様を見せます。

【詞章】(今回の仕舞の部分の抜粋)

鍾馗及第の。鍾馗及第のみぎんにて。われと亡ぜし悪心を。翻す一念.発起菩提心なるとかや。げに誠ある誓いとて。国土を静めわきてなお。禁裡雲井の楼閣の。ここやかしこに遍満し。あるいは玉殿。廊下の下。御階のもとまでも。御階のもとまでも。剣をひそめて忍び忍びに。求むれば案のごとく。鬼神は通力失せ。現れ出ずるをたちまちに。ずだずだに切りはなちて。目の当たりなるその勢い.ただこの剣の威光となって。天に輝き地に遍く。治まる国土となること.治まる国土となることも。げに有難き誓いかな。げに有難き.誓いかな。

 

 

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