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石橋(しゃっきょう)

【分類】五番目物 (切能)

【作者】不詳

【主人公】前シテ:童子(面・童子)、後シテ:獅子(面・獅子口)

【あらすじ】(舞囃子の部分は下線部です。)

大江定基は出家して寂昭法師と号し、中国、インドの仏教関係の移籍を巡礼し、清涼山にやって来ます。そして石橋を渡ろうとすると、一人の童子が現れ、この石橋は千丈あまりの谷に、幅はわずか一尺にも満たないが、長さは三丈にも及ぶ石の橋で、人間が渡したのではなく、自然と出現したものであり、人が容易に渡れるものではないと止めます。そして、向いは文殊菩薩の浄土であるから、ここで待てばやがて奇瑞が現れるだろうと告げて、立ち去ります。

<中入>

待つほどもなく、獅子が石橋の上に現れ、咲き乱れた牡丹の花の間を勇壮に舞い戯れ、千秋万歳を祝います。

【詞章】(舞囃子の部分の抜粋です。)

笛琴箜篌.夕日の雲に聞えき.目前の奇特あらたなり。暫く待たせ給えや。影向の時節今いくほどに。よもあらじ。

獅子

獅子とらでんの舞楽のみぎん。獅子團乱旋の舞楽の砌。牡丹の花房匂いみちみち。だいきんりきんの獅子がしら。うてや囃せやばたんぼう。牡丹ぼう。黄金のずいあらわれて。花にたわむれれ枝にふしまろび。げにも上なき獅子王の勢い。なびかぬ草木もなき時なれや。万才千秋と舞いおさめ。万才千秋と舞いおさまりて。獅子の座にこそ。なおりけれ。

 

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