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初雪(はつゆき)

【分類】四番目物 (雑能)

【作者】金春禅鳳

【主人公】前シテ:姫君、後シテ:鶏の霊

【あらすじ】(舞囃子の部分は下線部です。仕舞の部分は斜体の部分です。)

ある姫君が白い鶏を飼っていました。雪のように白いので「初雪」と名づけ、かわいがっていましたが、ある日死んでしまいました。姫君はひどく悲しみ、近所の上臈を集めて、供養をしました。すると、その初雪が空に現れ、弔いによって、極楽に行くことができ、楽しみつきない身になることができたと、しばらく懐かしそうに飛び回っていましたが、やがてどこかへ飛んで行ってしまいました。

【詞章】(舞囃子の部分の部分の抜粋です。仕舞の部分は下線部です。)

げにありがたき.とむらいの。げにありがたきとむらいの。心もすめる折からに。鳬鐘をならし声ごえに。南無阿弥陀仏弥陀如来。あれあれ見よやふしぎやな。あれあれ見よやふしぎやな。中空の雲かと見えつるが。雲にはあらで。さも白妙の初雪の。つばさを垂れて。飛びきたり。姫君にむかい。さもなつかしげに立ち舞うすがた。げにあわれなる。けしきかな。この念仏の功力にひかれ。この念仏の功力にひかれて。たちまち極楽の台にいたり。八功徳池の汀に遊び。鳬雁鴛鴦につばさをならべ。七重宝樹の梢にかけり。楽しみさらに。つきせぬ身なりというつけ鳥の。羽風をたてて。しばしがほどは飛びめぐり。暫しがほどは飛びめぐりて。ゆくえも知らずなりにけり。

 

 

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